瀬戸内国際芸術祭への旅2日目、これまで会場となっている東部の島は全て訪れていたのだけれど、小豆島は港周辺しか巡ったことがなかったという訳で小豆島へ行ってみる事とした。
しかし、この小豆島、思ってた以上に広く、そして芸術祭の作品は広範囲に広がっていたので、殆ど観て回る事ができず、結局は芸術祭の作品巡りというよりも小豆島巡りのような形になってしまった。
まぁそれはそれでよかったのだけれど。
今回は高松の中心、瓦町というところに宿を取ったのだが、宿泊したすぐ目の前に私が好きなヤノベケンジさんの「モフモフコレクティブ」の作品も展示してあり、しかも部屋の中からヤノベさんの作品も見えるという絶好のロケーション。
そんなヤノベさんの作品を横目に見つつ、本日も高松港へ。小豆島の土庄(とのしょう)行きの船はそれほど混んでもおらず、快晴の中、一路小豆島へ。本日も芸術祭日和だ。
土庄の港からほど近いところに「迷路のまち」なるものがあり、先ずはここを目指す事とした。下船しターミナルでバスのチケット売り場を見つけたので、ここで1日乗車券なるものを購入し、迷路のまちまでの行き方を訪ねると、「それなら本町で降りてください」とのこと。
チケット売り場の側に置いてあった時刻表を手にバス亭へと向かう。 - が、この時刻表がこう言っては何だが、とっても分かり難い。4つ折りになった時刻表を広げてみると2色刷りでA3ほどの大きさもあり、そこにはもの凄い字の羅列があり、どの路線がどこに行きなのかパッと見でさっぱり分からない。おまけに自分が今居る停留所を探すのも一苦労と言った感じで、必死に本町行きを探しているとバスがやって来た。
バス亭の時刻表を見てもそんなに頻繁にバスが来る訳でもなさそうなので、(1日乗車券もある事だし)何処行きかよく分からなぬまま、ひとまず乗ってみる事にした。
バスは何処に向かっているのかもよく分からなかったが、停留所を辿っていき、時刻表に記載されている路線図を見ると本町からはちょっと外れて南の方を走っているようだ。ひとまず、何処かで降りてまたバスを乗り換えようと思っていると「次の停留所は国際ホテル、エンジェルロード前」とのアナウンスが。
エンジェルロードの存在は何となしに知っていたのだが、丁度次のバス亭が最寄の駅のようだ。芸術祭とは関係ないが、ひとまず降りてみることにしよう。
暫く歩くと見えてきましたエンジェルロード。何だか宮崎の青島神社を思い起こさせる風景だ。青島までは橋が架かっているのだが、こちらは潮が引くと天然の道が出来、そこを渡って向こう岸にある島まで行けるようだ - そう、その天然の道こそがエンジェルロードなのである。
丁度、私が訪れて15分後位に島までの道が繋がり始めた。この繋がるか繋がらないか位のタイミングでパシャパシャと音を立てながら道と道の切れ目を何とか歩いて向こう岸まで行く事ができた。するとその後、直ぐに道が完全に繋がったのか、私の後を続くように多くの人がぞろぞろと道を渡り、島に向かってやって来た。
地図を見てみると意外にも迷路のまちへはここからかなり近そうだ。念の為、観光案内所で尋ねると、ここから歩いて行けるとの事で、歩いて行ってみる事とした。この迷路のまちなるもの、一説には海賊から身を守る為、また海風などから町並を守る為に、入り組んだ町が造営され、それが自然と迷路のようになったとの事である。
狭い路地、そして曲がりくねった道は、ぶらぶらと歩くだけで楽しい。
ここには芸術祭の作品も幾つか点在しており、昨年の北アルプス国際芸術祭でも見た私の好きなアーティスト集団「目」の作品もあり、今回も北アルプスの作品と同じように建物内に白い洞窟を再現させたような作品があり、こちらはちょっと小さめ、だけど、中はもう少し細かく入り組んだ感じになっており、楽しめました。
さて、この後何処に行くかが問題だ。芸術祭の案内所があったので、そこであれやこれや調べてもらい(案内所の人も普段バスに乗らないとかで、やはり時刻表を見るのに一苦労・・・)、半島の方に行くバスがあったのだが、帰りのバスが夕方しかないらしく、そのバスだと帰りの高松行きの船に間に合わないので断念。小豆島で作品巡りをするなら車を借りた方が良かったようだ。
何処に行こうか思案しつつ地図を見ていると風車の写真が目に入った。ここも何かの折で知っていた場所で、オリーブ公園というところで、これから訪れても十分に戻って来られる距離でもあり、バスの本数も沢山あるようだ。
そんな訳で急遽オリーブ公園へ行ってみることに -
風車の近くにはピアノも置いてあり、誰かが奏でるピアノの調、そして目の前には穏やかな瀬戸内の絶景が広がり - 知らず知らずの内にうとうとと眠りかけていた。
それにしてもこの風車をバックに箒に跨り写真を撮るのが流行っているようで、中には「魔女の宅急便」になりきった格好をしている人も居たりする。何処かで箒も無料で貸し出しているようだ。
しかし、魔女の宅急便は一説にはクロアチアのドブロクニクが物語の舞台となっているとも言われており、ここの風車はギリシャ風のようであるのだが、、と、調べてみると「魔女の宅急便」の実写版のロケ地がここのようでした。
それにしても本当、風車を背景にみなが箒に乗ってジャンプした瞬間を写真に撮ってる様は実に楽しそうで、そんな光景を見ているだけでこちらも幸せな気分になれました。
ここからバスに乗って一気に土庄港まで。
港では3作品ほど堪能。今回ここ小豆島では作品をあまり見られていなかったので、最後、少しだけでも見られてよかった。
- 高松港に着いた頃にはすっかりと日も傾き、空もピンク色に染まり始めていた。遠くには月も出ている。
瓦町近くまで戻ってきて、宿の近くにあるもう1つのヤノベケンジさんの作品も堪能。
今回は島をのんびり探索し、小豆島の事を以前よりは知る事が出来たように思う。そして小豆島の広さを知った旅でもあった。