4月下旬、青森の十和田市中央公園で開催された桜流鏑馬へ行って来た。
思い立ったが吉日的に急遽、新幹線のチケットと宿を取って行ってきたという事もあり、十和田市内では宿が取れず、八戸泊での旅の始まり。 - 因みに八戸は今回初訪問でもあったので、どんな町なのかそれもそれで楽しみでもあった。
さて、八戸駅発十和田市行きのJRバスおいらせ号は10時丁度発、という事で、宿を少し早めに出て駅前で昼食を購入し、時間が余ったので駅の待合室なんかで時間を潰し、八戸駅西口のバス乗り場へ行って見ると、遠目に何やらバスの回りに人だかりが、、 - まさか、と思い乗り場まで行ってみると悪い予感は的中、どうやら既にバスは満席のようだ。駅の待合室で時間を潰している場合じゃなかった。。
最近観光需要が復活してきたせいなのか、あとは、八戸駅前の泊まった宿にはやたらと沢山の中国人の観光客も宿泊していたのだけれど、そんな影響もあってなのかバスは満席で乗れない人達でも15人ほどは居たんじゃないだろうか。
このバスは十和田市内を経由した後、その先の奥入瀬渓流まで行くバスでもあるのでそこへ向かう人たちが沢山乗車しているのかもしれない。 - そして、次のバスは何と14時40分発!との事である。東口からローカルバスが出ていて、それでも十和田市まで行けるらしいが、路線バスでもあるので、十和田市まで1時間半ほども掛かる上に、こちらも次の出発は11時とのこと。
このままだと今回は八戸観光になってしまうと思い、レンタカーを借りる事にした。当日だったこともあり、値段は9,000円ほど。こんな事なら最初からレンタカーを予約しておけば良かった、、と、そんなスタートとなった。
ま、当日借りられただけでもラッキーか。
遠くに雪化粧の八甲田山を望みながら(上の写真は新幹線内から撮影した岩手山)、一路十和田へ。長閑な田園風景と相まってイメージするコーカサス地方のようだ。残念ながら先を急いでいた事もあり、車を停車してこちらは撮影する余裕がなかった。
八戸市から1時間ほどで十和田市に到着。中央公園に到着したはいいが、駐車場を見つけられずにしばらくぐるぐる、どうやら駐車場は臨時の物販コーナーにもなっていて、閉鎖されているようだ。そしてそこから少し離れたところにある臨時駐車場へと警備の人に誘導された。車を停め、中央公園まで歩いていると同じタイミングで車を停めた老夫婦に「流鏑馬はどこでやってますか?」と聞かれ、「いやー、私も県外から来たのです」とか何とか言いながら3人で流鏑馬会場を探す。因みに二人は青森市からやって来たとのこと。
暫く歩くと桜流鏑馬のデザインをあしらったトラックを発見。もう競技は既に始っており、沿道は既に多くの人たちで賑わっていた。
今大会の流鏑馬は約100mのコースを一ノ的から三ノ的まで狙いを定め射抜きながら駆け抜けるというものだ。それぞれの的を射抜くと10点ずつ加算され、タイムも得点ポイントになるとのこと。
満開の桜の中を女性騎手の方々が疾走していくのを期待していたが、ここ十和田も他の地域と同じく今年は桜が早く咲いたようで、既に葉桜になっている。まぁ桜は散ってしまったが、競技をしている方々に華があるのでそれでよしとしよう。
それにしても目にも止まらぬ速さで目の前を各人というか各馬が疾走していく。思っていたよりも速くてあっという間だ。的に命中すると審判員が赤い唐傘を広げるというのも実に雅でよい。競技は初級者、中級者、上級、プロ級という具合に分かれており、当然ながら上の級になるにつれ、もの凄いスピードで目の前を通り過ぎてゆく。まさに電光石火の如しである。
一人二走実施するので、一旦コースを走り終えた後、再度スタート地点に戻るまでにゆっくりと沿道に手を振りながら戻って行く。そして、的のところで軽くおじぎをしながら審判員から自分の矢を受け取るのだが、この瞬間がまた何ともよいものである。
ここ十和田の桜流鏑馬のように流鏑馬をスポーツ競技として普及させたのが、上村鮎子さんという方で、勿論この方も上級とプロ級のコースに出場しました。相方の”駿河”という白馬と共に。因みに静岡生まれなので駿河、というらしい。茶目っ気たっぷりの可愛らしい馬でスタート地点に通ずるエリアに待機している途中、なでさせてもらいました。
さて、会場への到着が少しばかり遅れたという事もあり、競技をちょっと見たら直ぐにお昼休憩に。広場では盆踊り?も催されていたり、レジャーシートを広げて寛ぐ親子連れが居たりと実にのんびりとした雰囲気。少し離れたところに遅咲きの桜、八重桜も咲いていてこちらは今がまさに真っ盛りと言った感じ。
以前、十和田を訪れた時に何やらやたら馬に関するオブジェが沢山あるなぁと思っていたけど、ここは昔から南部馬を排出したり、明治時代には軍馬育成所があったりと、何かと名馬と縁のある土地だったのだなぁと今更ながら知りました。
この桜流鏑馬ですが、がっつりといい写真を撮りたいのであれば望遠レンズは必須だろうと思っていたけれど、私は今回は競技もしっかり見つつ、写真は雰囲気を何となしに撮れればいいかなぁ位に思っていたので、軽めの装備で撮影してきました。
しかしマニアの人たちはやはり、自前の脚立持参、そして惑星まで撮れるんじゃないかってくらいの超望遠レンズで撮影していて、やはりきちんと撮影するならそれなりの装備が必要だよなぁと改めて思ったり。
観客席とコースの間にはオレンジ色の柵があり、更にそこから規制線も張ってあったので、やはり脚立なんかがあると柵を写真内のフレームから外して撮れるので、脚立持参はいいかなと思いました。
そんな訳で私の写真はまぁ雰囲気を楽しむ程度のものになりましたが、よかったら見てみてください。
午後には団体戦もあり、三頭一緒に続けて駆け抜けていく様は正に勇壮でした。
そして、1番のポイントはやはりどこで見るか?という事にも限ると思う。三ノ的辺りだとスタート地点から疾走してくる様が見られるが、初見がかなり遠くなってしまう。
逆に一ノ的辺りだと最初は見られるが後は、ずっと後姿を見ていくことになり、どんどん遠ざかっていくので、楽しめるのは最初だけ、と言った感じになってしまう。という事は間を取って二ノ的辺りがよいのか、と悩みどころでもある。
結果、私は一ノ的辺りに陣取って見ることに。ここはコースへの入退場への沿道にもなっているので、スタート地点に並ぶ前と競技を終えた後に選手一人一人をゆっくりと見る事が出来る場所になっている。特に走り終えた後はみな和やかな表情を写真に収められるので、ゆっくりと写真を撮るにはもってこいの場所でもあると思う。
そんな訳で急遽訪れた十和田、そしてそれ程下調べもせずに見た桜流鏑馬でしたが、結論とても良かった。