三度、朝を迎えると病も治る - という謂れから三朝(みささ)と呼ばれる湯治場 - 三朝温泉。私はこの旅で2泊であったので1泊足りなかったようだ。
朝靄の風景の中、朝から昭和レトロ風の街中を散策 - 魅力的な路地裏を進み、大衆浴場、足湯を眺めつつ歩く。三朝川沿いにある河原露天風呂は、朝が早い為かまだ誰も入っていないようである。
朝の散策は実にいいものである。
ちょいと怪しげな細い路地を進み、川沿いの小径を進むと三朝川に掛かるかじか橋上にある足湯・かじか湯へと出る。朝9時から利用可能だ。1番乗りかと思いきや既に先客が2名ほどおり、彼等も朝から足湯を楽しんでいるようだ。
それにしても橋の上にある足湯というのはロケーションがとてもよい。流れる川を眺めながらの足湯というのも実に一興である。
この後、鳥取在住の友人と合流し、まずは梨狩りへ - 数日前に発生した台風の影響で、台風が来る前にあらかた収穫してしまっている園が殆どであったけど、幸い三朝温泉近くの梨園 - 波関園(なんぜきえん)さんではまだ梨狩りが可能で、ここを訪れてきた。ここは20世紀梨を育てており、木から直接もいで6個も食べてしまいお腹一杯。
お腹を満たしたところで投入堂へ - こちらのお話は別で書いたので、よかったらこちらから見てみてください。
と、ここで時間が一気に飛んでしまうけど、投入堂を下りた頃にはお昼の2時ごろになっており、さすがにお腹が空いてきた。この日もやはり蕎麦を食べにゆこうとなったのだが、目指したお店に到着してみると営業終了、と言う訳で、ひとまず次の目的地の白壁土蔵群に向かい、そこで蕎麦屋を探そうという事になった。
倉吉市にある白壁土蔵群 - 雰囲気は何だかちょっとばかし岡山の倉敷にも似ている。漢字も一字違いだし。建造物群保存地区になっているこの辺り、ぶらぶらと散策するだけでも楽しい。
ぶらりと歩いて見つけた蕎麦屋に入店 - 鴨肉とトロロのお蕎麦、美味しく頂いてきました。鳥取の蕎麦もなかなかどうして美味である。
この後、特にビールを飲みたかった訳ではないのだが、友達が私にぜひ飲んでもらいたいビールがあるとの事で、白壁土蔵群の町中にあるブリューワリーへ。そのビールは鳥取産の大麦とお米(星空米)、そして倉吉の水を使ったその名も「星空エール」だ。
因みに私は普段からよくラジオを聴いているのだが、このお米 - 星空米 -のCMをたまに耳にした事があり、特に鳥取のお米と認識していた訳ではないのだけど、まさかその星空米を使ったビールをこのタイミングで飲む事になるとは!と不思議な気持ちになった。
ここのブリューワリーも昔ながらの建物を改装したお店らしく、和モダンで素敵な造りでした。
星空エールも美味しく頂いてきました。
と、今回の旅はこの辺りでそろそろ終わり・・・と思いきや、友達が突然「そう言えばこの近くに倉吉線の廃線跡地があり、なかなか画になるので行ってみましょうか」とのこと。
白壁土蔵群から車で走る事30分程度、日もだいぶ翳り始めたけど、廃線跡近くに到着。車を駐車場に止め、そこから更に歩いて廃線跡地を目指す(と言いつつも既にこの辺りから廃線跡地は始っているのだけれど)。
小さい頃に長崎の平戸という島に住んでいたのだけど、その頃よくこんな田んぼが広がる田舎道でおたまじゃくしなんか取ったりして遊んでいたっけ。用水路の流れる音なんか聞いていると、そう言えば大人になったらすっかりそんな音も聞かなくなったような気もする。
そんな懐かしい記憶と共に田舎道を15分ほど歩くと、廃線駅 - 泰久寺駅跡に到着した。
ここから線路上を暫く歩くと鬱蒼とした竹やぶが広がってくる。何と線路の真ん中にも2本ほどの竹が立っていたりなんかする。私の友達が以前訪れた時は3本あったようであるが、1本は腐って倒れてしまっていたようだ。
線路沿いをずっーと進んでいくと最後はトンネルにぶつかり、そのトンネルは蓋がされておりそこから先へ進めないようになった。
それにしても、確かにここは画になる場所であった。
廃線を堪能した後は、また田舎道を歩いて車まで戻り、最後は関金温泉に入ってきて本日の旅もおしまいである。
今回の鳥取旅、初日は皆生温泉、2日目は三朝温泉、そして3日目は関金温泉と3日間で3温泉を巡り、3日間で3温泉、そして三朝の3とまさに3尽くし。
鳥取は実に温泉豊かな地であると再認識、そんな旅であった。