2020年3月に京都市京セラ美術館がリニューアルされ、「今度京都行く際は是非訪れよう」と思っていたのだが、すっかり失念していた。
そんな折、11月始めに知人の藤原京子さんの展示を見に横浜まで出たのだが、その際に私が今度京都に行く話をしたところ、彼女の知り合いの方が、丁度その時期京セラ美術館で展示をしているとの事で、「そうだ、京セラ美術館は今度訪れよう!」と思っていた事を今更ながらに思い出した。
今回の旅は神戸で横尾忠則現代術館へ行き、京都は大原行く位にして割とのんびりとした旅を予定していたのだが、西宮の友達のお店に急遽行く事になったりと結局の所、ちょっとばかし慌しい旅になった。
さて、大原から京都中心部に15時ちょい前に戻ってきて、その後ニシン蕎麦を食し、そこから歩いて京セラ美術館へと向かった。歩いて20分ちょっと位は掛かってしまったが天気もよく丁度よい散歩となった。
そもそもは昭和8年に開館したこの美術館、ぱっと見、美術館に見えない事もない。建てられた時期も近いのかどこか倉敷の大原美術館を彷彿とさせてくれるとても重厚な造りだ。
メインエントランスの周りはちょっとしたスペースになっており、みな思い思いに過ごしたり、子供たちが走り回ったりと市民の憩いの場になっていました。
さて、今回は3つの展示が開催中でしたが、通し券と言うようなものは特になく時間的にもどの道1つしか見れないだろうと思い、友達の友達(ややこしい)が参加しているという「KYOTO STEAM 2020」のみのTicketを購入し、早速中へ。因みにこちらの展示は12月6日で終了。
メインエントラスを入ったところがB1になっており、階段を上がり展示スペースのある1階へ。階段を上がると白を基調とした直線と曲線で構成された中央ホールへ。この辺り、写真スポットになっているのか、みなそれぞれの思いやらポーズで撮影しておりました。
KYOTO STEAM 2020 - 公募によって選ばれたアーティストと企業や研究機関等のコラボレーション作品によるアートコンペティションを2021年度に開催するらしく、今回の展示はそのスタートアップ事業として開催されているらしい。
そんな事もあり作品はどちらかと言うと、と言うよりかなりテクノロジー的な作品が多かったです。大原で自然を愛でてその後のテクノロジー、という事で最初頭が切り替わらず、作品がなかなか自分の中に入ってこなかったのですが、3つ4つほど作品を見て、丁度映像作品を見終わった位に頭が切り替わったのか、見ていてどんどん楽しくなって、最初の 方の作品に戻って又見直したりという具合で段々と展示の世界に入って行く事ができた。
どの作品も素晴らしく、普段見るようなのとはちょっと違った作品を沢山楽しめました。そんな中、最後に展示してあったヤノベケンジさんも参加していたSeed of Life(生命の実)は特に素晴らしかった。
鉄で出来た巨大なドーム作品にも圧倒されましたが、 藻バイルハウス計画 - 「藻類」を培養し自給生活が可能なエネルギーと食料を得る為の装置をもつ移動可能な家 - と銘打たれたコンセプトなどなど楽しませて頂きました。
展示室のすぐ側からは外に出る事もでき、外には紅葉、そして杉本博司氏のガラスの茶室 聞鳥庵がありました。六本木にある国立新美術館でもガラスの茶室を見た覚えがあり、調べてみたら六本木で見たのは吉岡徳仁さんの作品で、こちらはガラスの茶室 光庵、でした。
同じガラスの茶室でも”庵”違いでした。しかしそもそも”庵”とは具体的に何を指しているのだろうか、と今度は茶室を見る時に”庵”の名前にも気を配って見てみようと思う次第なのでありました。
日もすっかり暮れてきて美術館をシルエットに空も茜色に。
- 帰りは人の流れに乗って歩いていたら小さな用水路が流れる素敵な小道へ。こんな道があったとは!と新発見。実に風情ある素敵な通りでした。
再び三条大橋まで戻ってきた頃にはすっかり暗くなり、京の町に夜の帳が下りつつあるのでした。