曇り時々小雨、そしてまた曇り、近頃の八重山の天気はこんな感じである(2022年のGW)。
今日は小浜島を訪れる予定である。これで定期観光船がある八重山の島々はコンプリートとなる。思えば1999年に初めて西表島を訪れて以来、ようやくの全島制覇である。さすがに1999年からしたら八重山も随分と様変わりしたが、まさか全島巡る事になるとはあの時は思いもしなかった。あとは、ツアーでしか行けない新城(あらぐすく)島という島もあるので、いつか訪れてみたいものである。
さて、本日はこれまでの旅の疲れもややある為、またそれほど急ぐ旅でもないので小浜島へは石垣港発10:30分の船で行く事にした。宿からいつもの見慣れた風景を見やりつつ約10分ほどの時間を掛けて石垣港へ。曇ってはいるが八重山の海は今日もきれいだ。
小浜島は星野リゾートのホテルやゴルフ場があったりで、どこか他の八重山の島々とは違った印象があるか果たしてどんな島であろうか。 - ドラマ”ちゅらさん”の舞台でも有名な島らしく(が、私は実は、ちゅらさんは見たことがない)、そんな事もあってか、私の中のイメージとしては、他の島と違いどこか浮ついたというか、華やかなイメージがある島でもあるが、果たしてそんなイメージ通りの島であるのだろうか。
- そんな事をぼんやりと考えていると石垣港から僅か30分程で小浜島へ到着した。
島をどうやって回るか。これはどの島に付いても考えなくてはいけない問題でもあり、小浜島に関しては割りと起伏があり、それなりの規模もあるので何らかの交通手段が必要のようだ。
雨はまだ降っていない。その為バイクを借りて島を回る事とした。港近くのレンタルバイク屋でバイクを借り、先ずは大岳(うふだき)展望台へと向かう。
港から走る事5分ちょっとで駐輪所に到着しそこにバイクを止め、300段ある階段を延々と上がり展望台へ。途中「小浜節」の石碑を見つつ、階段を上がり切るとそこには ー 。
頂上からは360度ぐるりと八重山の島々を見渡す事ができる。晴れていれば与那国島以外、八重山諸島全てが見渡せるらしい。この日は曇り空ではあったが十分綺麗だ。ここはすっかりと私の八重山お気に入りの場所の1つとなり、暫くの間ここで何もせずに海を見やり時間を過ごしてきた。
大岳で暫く過ごした後は、島の北側に広がる浜へ行く事とした。
- ここへは行く途中、半分廃墟になったホテル跡地を通り抜けて行く事となる。一大開発が嘗て行われていたような場所、島の歴史の中の栄枯盛衰が伺われる。ここいら一帯には嘗てどんな華やかなホテルが広がっていたのだろうか。そんな半廃墟のホテル跡地を抜けた後に広がっていたビーチはとても美しくここでものんびりと時間を過ごす事ができた。
引き続き島内をバイクでひた走る。お次は島の西側に広がるマングローブ林へ。島の西側、その先には西表島がある訳で、この辺りもその流れというか繋がりで汽水域になっているのかどうか詳しくは分からないが見事はマングローブの林が広がっていた。
マングローブの林の中に白い花 - さがり花らしきものも発見。一夜だけ咲いて後は散るさがり花、今宵辺りに見事に咲き誇るのであろうか。
と、ここで急に雨が降り出してきた。しかも暫く止みそうもないような激しい雨である。これまでどうにか曇り空でもっていてくれたが、ここは他の島に比べると西表島にも近いので、そのせいもある為か西表上空で発生した雨雲が流れてきている、そんな感じもする雨である。
こんな事ならバイクでなく車を借りておけば良かった、が後の祭である。時折小雨になるのを見計らって再びバイクに跨り、島のほぼ中央に位置する集落へと向かう事とした。
途中、見事な一本道 - あとで地図を見て気付いたのだがけど、 - これがこの島で有名なシュガーロード - があった。この時期はサトウキビの時期でもなくしかも雨という事もあり、何だかもの凄く長い1本道だなぁ位しか最初思わず、そこがシュガーロードとは気付いていなかった。
バイクを集落内に駐車し、しばし探索。リゾートホテルなどの影響があるのかどうかは分からないが、集落も他の島の集落に比べ何だかちょっと垢抜けた感じもする。新しく移り住む人が居るのか、建て直しが進んでいるのか、家々も他の島の集落に比べると少しばかり綺麗な感じがしないでもない。
ドラマは見ていないけど、ちゅらさん一家が暮らしていたという、こはぐら荘も一応外から見学してきた。
島内の見所としてはもう1箇所 - 島の西側、細長く延びた岬の先にある細崎(くばざき)集落だ。ここには本島の糸満から移り住んできた人達の集落があるという。しかし雨がかなりひどくなってきた。ここまできたら、もうやぶれかぶれとでも言おうか、既に雨で全身ずぶ濡れになっているし、今度またいつ小浜に来られるかも分からないので、細崎まで行ってしまおうと思い、篠突く雨の中、細崎を目指す。
えいや、で走り出したはいいのだが思ったよりも距離がある。全身ずぶ濡れになりながらどうにか細崎へ到着。海沿いには(晴れていたら)気持ちのよさそうな公園が広がり、そこにはマンタをオブジェクトにした展望所もある。 - 因みにこの海の向こうには西表島が広がり、その西表島と小浜島間はサンゴ礁の切れ目にあたり「ヨナラ水道」と呼ばれマンタの通り道になっているらしい。
今度いつ来られるか分からないと書いたが、ここは天気のいい日に再訪したい場所だ。島の中心の集落(先ほど訪れた集落)に滞在するのでなく、ここ細崎集落に滞在するのも良さそうだ。何もせずにこの集落で日々のんびりと過ごす。何だかとてもいい島での過ごし方のようにも思える。
そんな訳でここはまたいつか訪れたい場所の1つとなった。
今日はもう雨は止みそうにもない。今回の旅で1番雨が降った日と言ってもいいだろう。
最後は雨の中、シュガーロードを激走し、港へ。16時40分の船で石垣島に戻る予定であったが1本早めて15時20分の船で戻る事とした。
バイクで島もほぼ1周し、集落もぶらりと歩き、なるほど小浜島とはこんな感じの島なのかというのが分かった旅でもあった - イメージ通りのような感じがする場所もあったし、しかしやはり島は島であるというか、他の八重山の島々同様とでも言おうか楽しい島であった。
次回は細崎辺りでのんびり過ごす、そんな旅をしてみたいな、とそんな事を思いながら船は小浜港を離れ石垣港へと向かっていった。