- クアンナム省・ホイアン
ベトナム戦争遺構のトーチカ(見張り台)の残るハイヴァン峠を越え、ベトナム中部の街、ホイアンまでやってきた。ブーゲンの花薫り、ベトナム戦争でも破壊される事がなかった旧市街の残る古い街並みだ。
”ある人曰く、「ホイアンはベトナムの中でも1番ベトナムらしい街だ」と。
確かに、うん、いい街だ。ここはかなり夏の日差し。でもそれほど日差しも強烈でもなく時折海から吹いてくる風が心地よい。
そんな季節の中、爽やかに自転車に乗って行き交うアオザイの学生たち。ベトナムに来るまでは写真や映像でしか見たことなかったアオザイ。
そんなアオザイの姿が旧(ふる)いホイアンの町並みと相まって凄く綺麗だ。”
- と、ホイアンについての日記に当時こう書き記しているようにホイアンと言えば旧い街並みとアオザイ、そんな”らしさ”に当時の私はすっかり魅了されていたようだ。
ホイアンと言えばもう1つ忘れてならないのがランタンだ。夜時にもなると旧市街地に無数のランタンが灯され幻想的な街並みに様変わりする。 - その光景は映画「千と千尋の神隠し」の舞台にもなったのでは、と言われる程である。しかし、このジブリ映画によくある、「何々の映画の舞台になったようだ」という話はこれまで沢山聞いてきて、確かに言われてみればそう感じるし、しかし、結局のところ街並みの設定は空想の世界?でもあるだろうし、毎回思うのは、「確かにそれっぽい」という事だけだ。
あと、このホイアンには1500年代の終わりに(1500年代終わりと言えば戦国時代から江戸時代への移行期だ)、日本人が架けたとされるその名も”日本橋”なるものが町中に残されている。
- 夕暮れ時、この日本橋を渡って、ホイアンの街中に入って行くと無数のランタンが灯されている - その光景はさながら、「千と千尋の神隠し」の映画の中で主人公の千尋が橋を渡って油屋に入っていくような光景と重なり、それはそれでなかなか好きなホイアンでの日常であった。
そしてこの当時、よく飲んでいたのがビアホイと呼ばれる生ビールである。所謂生ビールなのであるが、とにかく味が薄い。 - 生ビールを水で薄めたようであるのだが、慣れてくるとこれはこれでなかなかいけている。そして何よりも値段が安い。1杯のんでたったの20円程度。これを毎日のように5,6杯飲んでいたのだが、それだけ飲んでもたったの100円程度である。
ビアホイは、そう、世界一安い生ビールだと思う。
- ベトナムに入って早いものでもう13日目である。旧正月のテトと重なりイミグレーション・オフィスが閉まっていた事もあり、滞在期間の延長申請を延ばし延ばしにしていたが、そろそろ申請しなくてはならない。
東南アジアではVISAの申請などは旅行代理店でも受けてくれるので、まずはホイアンの旅行代理店に行ってみた。 - ところがそこでは受け付けてくれずダナンと言う町にある国営の?イミグレーション・オフィスに直接行ってくれと言うではないか。仕方がないので町中でバイクを2ドルでレンタルし(後ろにこれまで一緒に旅している韓国人のチャンを乗せ)、一路30km北にある街、ダナンへ 向かった。
- 出発して直ぐは交通量がとても多く、しかもみな車線なんかお構いなしに走行するもんだから、なかなかスリルあるバイク旅であったけれど、暫くすると長閑な田んぼの風景、草を食む水牛の姿などを見ながらののんびりとしたバイク旅に変わり、これはこれでなかなか素晴らしいな経験であった。
さて、ホイアンの旅行代理店で住所を教えてもらっていたイミグレーション・オフィスに無事到着し、滞在延長を申し出たが「ここではできない、旅行代理店を通してくれ」と無碍にも断れてしまった。
そんな訳で、ダナンでもまたバイクに乗り旅行代理店を探す事になってしまったが、ここでは観光客すら見つけられず、しかも英語を話す人を見つける事も出来ず、どこに旅行代理店があるか分からない。 - 結局ダナンの町中を40分程走り回ったその時 - 以前、フエからホイアンへバスで移動している時、途中ダナンの町中に止まりツーリストが何人か降りた場所があったのだが、そこに牛が笑っている看板があった事があったのだが、その時にチャンが「Happy Cow,Everyday Smile」と言っていた看板が正に目の前に現れた。 - あの時の何気ない会話がまさかこんな所で役に立つとは。
この辺りがツーリストエリアに違いないと当たりを付け、バイクを止めて路地に入っていくとまさにその通り、旅行代理店が幾つかある。
その中の1つに入り、滞在期間の延長申請を申し出ると、「これはうちでは出来ないのでイミグレーション・オフィスに行ってくれ」と言われ、まさにたらい回し状態。「先ほどイミグレーション・オフィスに言ったら旅行代理店に言ってくれと言われたんだけど」と引き下がると、今度は別のダナン市の?イミグレーション・オフィスを紹介してくれた。しかし、教えてくれたそこでもやはり、「旅行代理店に行ってくれ」ともはや無限たらい回し状態に。。
結局のところ、この後訪れた別の旅行代理店が一応は引き受けてくれた。うまく行けば5日後に私のパスポートに滞在延長のスタンプが押され、滞在先のホテルに送られて来る事となった。 - つづく