福井2日目
昨日の嵐の東尋坊が嘘のように本日は晴れてくれた - 今日は永平寺、そして白山平泉寺院を巡る予定だ。
前日に引き続き友達が車を出してくれ、今回は昨日と駅の反対側 - 東口 - で待ち合わせ。福井駅前は西口周辺に繁華街が広がっているようで、東口はひっそりとした雰囲気。その分高い建物もなく遠くまで見渡せる印象だ。道もすっきりと一直線で、どことなしに京都の町中も思い起こさせてくれる、そんな町並だ。
出発してから順調だったけど、後半ちょっと道に迷いつつも小1時間ほどで到着。昨日同様、駐車場に導いてくれるおじ様方沢山で、その内の1つを選び駐車。ここから参道を歩いて永平寺へ。さすがは禅寺らしく、道中「禅」の文字をよく目にする。中には「喫茶 禅」なんてものも。あとはお土産物屋や蕎麦屋が目立つ。
暫く歩くと、参道の正面にお寺の側面が見えた。なかなか荘厳な造りである。
そしてそこから右に折れるといよいよ入り口へ。右側に「杓底一残水」、そして左側には「汲流千億人」の五言の文字が書かれた標柱をくぐるといよいよ禅の世界、仏教世界へ。
境内に1歩足を踏み入れるだけで、辺りと空気が一変する - これは神社や寺院に行った時によく感じる事であるけれど実に不思議な感覚だ。標柱から入ってすぐだったけど、辺りは静寂に包まれそしてこれまで歩いて来た参道から一変する。
深い緑の実に美しい世界だ。そして所々に残る白い雪。しばし苔と雪の世界に浸る。実に凜とした世界だ。
暫く進むと手水舎があり、そこで手を清めると隣には蓮に乗った葉観音様の姿が。なかなか凛々しい顔をしておられる。これを見ていたご夫婦の方が、この観音様の顔が以前より若返っているとしきりと言っていたが、そんな事あるのだろうか。そういう風に見えるのなら、きっとそうなのであろう、なんて事を思いながら通用門をくぐる。
通用門をくぐるとその先には大小様々な建物が30近くあるのだが、驚いた事にそれらは全て長い廊下や階段で繋がっていた。つまりは一歩も外に出る事なく、堂内を巡る事ができる造りになっており、斜面に沿ってずらりと並ぶ建物を巡りつつ、頂にある法堂に辿り着ける事ができる、そんな全容だ。
かれこれ30分程掛け、1番上にある法堂へと到着。そこから仏殿や山門を見下ろす造りは、以前広島で訪れた「禅と庭のミュージアム」と同じようなものであった。なるほど、私は禅寺には然程詳しくはないのだが、禅寺とはそもそもがそのような造り(山門、仏殿、法堂へと一つの繋がった造りで、それをぐるっと取り囲むようになっている)なのかもしれないな、なんて思ったりもした。それにしても雪深いこの地での修行、どれ程大変なものであるか、寒さが苦手は私にはこの地での修行は務まらないかもしれない。
最後はここから下りながらまた色々なお堂を巡る訳であるが、最後、僧侶達による読経をタイミングよく見る事ができた。最初修行僧10人ほどで般若心経を唱え始め、後半になると皆読経しながら、時計回りにぐるぐると回り始め、院内に響く読経がとても心地良い。
あれは、いつだったかチベットかラダックのお寺で同じような読経のシーンに出くわした事があるのだが、時間と空間を越えそれらに共通する場の力みたいなものを感じ、空間は違えど寺院とでも言おうか仏教のとでも言おうか、何処の世界にあっても共通する気の流れ、そんな事を感じた至福の時間であった。
通用門から外に出ると目の前に永平寺川が流れている。そこにある水を吐き出している龍のオブジェが苔に覆われ回りの風景と一体化しているのに驚きつつ、残雪を踏みしめながら永平寺を後にした。
とてもよい禅寺であった。
この後はここから更に30分ばかり移動して 白山平泉神社へ。勝山市にある霊峰白山を信仰対象とした由緒正しき神社だ。
とその前にお昼を何か食べようと思ったのだが、結局この日も蕎麦屋の暖簾をくぐることにした。今回食したのは福井名物の「おろし蕎麦」 - 平皿に盛られた蕎麦に薬味の大根おろしと葱をのせ、つゆを全てぶっ掛けて食べるというもので、これが非常に美味しかった。全国津々浦々、その地その地で蕎麦を食している私ですが、この蕎麦は実に美味でした。
さて、白山平泉神社である。実に長い長い参道を歩き、途中少しばかり左側に折れると御手洗池がある。ここの泉が「平泉」の由来になったのだとか。それにしてもここも苔で有名な場所らしいのだが、一面銀世界で、苔は雪の下に覆われてしまっており見る事ができなかった。それでもこの一面の銀世界はそうそう見られるものでもない筈であろうし、これはこれでよかった。
そして暫く進むとお社を乗せたような鳥居が。こんなお社と一体型になったような鳥居を見るのは初めてで、実に珍しいものであると感心してしまった。
ここは訪れる人も少ないというのもあるのか、辺り一面静寂に包まれ、静かにお参りする事ができた。白い世界はかなり堪能したので、いつか一面緑色の世界も見てみたいものである。
本日の寺院と神社巡りはこれにて終了。夜は友達一押しのホルモン焼屋へ行くという事で鯖江へ移動。
鯖江と言えばめがねのイメージしかなかったけど、かなりディープなホルモン焼屋でした。何だか戦後間もない闇市にあったかのような(勝手な想像ですが)雰囲気を漂わせたお店でしたが、店内はカップルから親子連れまでとかなりの幅の客層でなかなかの賑わい、ここは福井県民に愛されているお店なのでしょう。
味もとっても美味しかった。とは言え、私は実はホルモン焼き屋を訪れたのは今回が人生初で、他のお店と比べようがないので、いつかどこかでホルモン焼き屋を訪れる事があったらここと味を比較してみたいなとも思う。