DMZとはDeMilitalized Zone-日本語で言うと非武装地帯の事であり朝鮮半島を南北に分かつ38度線上付近の場所である。
ここは、韓国の人は訪れる事はできないが、日本人であれば誰でもツアーで訪れる事ができる。
ツアーではパンムンジョム(板門店)ツアーとDMZのトンネル(北朝鮮側が途中まで掘ったトンネル(掘削途中で韓国側が発見))ツアーの2種類があったが、パンムンジョムを選択してみた。
勿論ツアーという事もあるので、みんなでぞろぞろとバスで集団行動し、「ここは撮影OKです。」「ここは撮影NGです。」という言葉に従って行動するしかなく、せわしい見学になるのだが、この地はツアーでしか訪れる事ができないので、仕方がない。
ツアーで訪れたのはざっと以下の感じ
-キャンプ・ボニファス、臨津閣(イムジンガク)、自由の橋、共同警備区域(JSA)、板門店、展望台(ここから北朝鮮側を眺める)、帰らざる橋。
因みに北側と南側にそれぞれ村があり、名前は北が平和の村、南が自由の村という事になっている。
JSAとはずばりその名前での韓国映画もあるので、この辺りの事情を知りたい方は是非ご覧になってみてください。
そして、38度線上の展望台から見ることができた北朝鮮側はツアーガイドの人によると、実はプロパガンダの村になっていて、誰も住んでないらしく-毎日毎日同じ時間に電気が付き、同じ時間に電気が消え、洗濯物などが干されてるのを誰も見たことがないらしい。等々
時折、北朝鮮の音楽がプロパガンダ用に流れるというちょっとした高層ビルが立ち並ぶ村でした。そんな中でも自慢はギネスブックにも載ってる160mの国旗掲揚台とのこと。
ツアーを見て思った事は、北も南もどちらも警備などにお金を掛けたり、プロパガンダにお金や労力を掛けすぎているという感がある。
その様な事にお金を割くよりは、今後はやはりお互い歩 み寄る努力をしてもらいたいものである。まぁ、そんな風にここで書くのは簡単だけど、実際は中々難しいとも思いますが。
板門店を訪れて6日後、ソウルで宿泊していた宿のリビングでとあるパンフレットを見つけた。こちらも板門店やトンネルのツアーの紹介だったけど、その中に都羅山(ドラサン)駅の写真があり、プラットフォームにあるサインの中央に「都羅山」と書かれ、「← 平壌」「ソウル→」と表記されているものだった。
これはまさに夢の列車というか、将来的に南北が統一される事に備えての駅ではないか-俄然、この駅を実際に訪れてみたくなった。
早速ソウル駅まで行きチケットを買おうと思ったが直接、都羅山までは行けないらしい。そーか、駅はDMZの中にあるから当然か。しかし、駅員の方が親切で一つ手前の駅-臨津江(イムジンガン)駅まで行って都羅山までツアーバスで行ける事を教えてくれたので、とりあえずイムジンガン駅へ-これは帰国後に知ったのだけど、60年代にフォーククルセダーズが唄った「イムジン河」という曲がありました。
列車で走る事1時間40分後、イムジンガン駅に到着。到着してみるとこの駅でも既にそれぞれの次駅のサインが「平壌」と「ソウル」になっている。という事は、都羅山駅まで行かずともこの写真でいいか、、とも思ったがここまで折角来たのでDMZツアーを申し込んでみた。
今回は、まず第3トンネルを見学。北朝鮮から掘られたトンネルは現在4つ発見されており、一番最長のものがこの第3トンネルで、長さは何と435mもある。ツ アーではこの中を見学できたが、幅2m、高さ2mの大きさでかなり立派に掘られており、驚いた。
映画「大脱走」顔負けである。
トンネルから出た後は、すぐ隣にある博物館を見学。ここでは朝鮮戦争の映像などが流れていた。それが終わるとドラ展望台へと移動し、再度、北朝鮮を遠くに眺める。そして最後に、私が所望していた都羅山駅を見学。この時は駅はまだ工事中だった。
2020年現在、この駅がどうなっているか調べてみたら、工事は既に終了しているらしいが、やはりまだツアーでしか立ち入れない模様。そして2019年からはアフリカ豚コレラの拡散防止の為、駅は現在封鎖中との事らしい。
楽曲「イムジン河」についてもう1つ-2005年に井筒和幸監督による映画「パッチギ!」の中でこの曲がメインで使われています。-舞台は60年代の京都。地元の高校生と朝鮮学校の生徒達、どうしても仲良く出来ないお互いの生徒達、そんな中、劇中でこの曲がお互いの架け橋の象徴として流れ、韓国に沢山友達を持つ私はどうしても色々と感情移入してしまって、とても好きな映画です。こちらも良かったらぜひご覧ください。
(「イムジン河」以下、歌詞1部抜粋)
北の大地から南の空へ
飛びゆく鳥よ 自由の使者よ
だれが祖国を二つにわけてしまったの
誰が祖国を分けてしまったの
イムジンガン駅からの帰りの電車、ソウルに住んで8年という女性に会いました。周りの乗客との会話を色々と通訳してくれ、これまた親切にして頂いた。
約1ヶ月滞在した韓国はやはり素晴らしく、その国の事はやはり実際に訪れて自分の目で見て、自分の耳から入れた情報でないと何も分からない、そんな事を実感した旅でした。
韓国では色々経験できたし、そろそろ中国へ渡ろうかと思います。