この度、ようやく長崎の音浴博物館を訪れてきた。長崎と言っても市内にある訳でなく、市内から車で1時間半ほど走った大瀬戸町というところにある施設だ。長崎市と佐世保市の間くらい、といったところであろうか。
廃校を利用した施設になっており館内には蓄音機やプレイヤー、そしてレコードは何と16万枚も所蔵しており、それらは自由に手に取って実際に聴くこともできる。因みに入館料は2023年8月現在、1人850円であった。
ー 朝早くに行った方が他のお客さんも少なくていいだろうという事で早くに友達と市内を出発。何といっても大ホールにはプレイヤーが1台しかないので、聴きたいLPを聴く為にもオープンの10時と同時位に到着する目論見だ。長崎市から時津、京泊あたりを抜け海道を暫く走り、黒崎永田湿地自然公園でしばし休憩 - 朝早いおかげか、見事に咲き誇る蓮の花々も見る事ができてラッキーであった。
そこからは暫く国道202号線を北上 - 左手には絶景の海が広がり- この道は断崖絶壁の上に作られた道でダイナミックな景色を楽しむ事がでる。
途中、黒崎教会にも立ち寄ってきた。黒崎教会はこの道を走る時にはよく横目で見てきただけであったけど、立ち寄ったのは初めて。平戸にある宝亀教会に大きさといい、佇まいといい、よく似た教会であった。早朝の為は建物は閉まっており中には入れず。
海沿いの道を暫く走った後は森の中へというか、内陸に右折 - ここで大中尾棚田なるものを発見 - またまた寄り道で、山の頂近くからは棚田を見下ろせるようにはなっていたのだが、現在はすっかり稲が育っており、緑一面の田んぼ、といった感じ。ここは春先に来ないと棚田は見られないようである。しかし、この広がる田んぼ一面や湧き出す水の匂い、昔住んでいた平戸の匂いを思い起こさせてくれた。
そんな訳で色々と寄り道を繰り返し、10時半にようやく音浴博物館へ到着。平日の朝早くだったけど先客も居るようだ。
まずはエントランスホール - こちらには古い蓄音機やカメラ、そして真空管アンプが展示されており、いきなりテンション上がる造りに。そこを抜けるとLPホールと呼ばれる部屋があり、大量のレコードがずらりと展示され、しかもきちんと邦楽と洋楽、そしてアーティスト名もA~Zできちんと整理されていたので、聴きたいLPを探しやすい!ここにもプレイヤーが1台置いてあり、大音量でLPを聴く事ができた。
ロッキンチェアーに揺られながら友達がチョイスしたユーミンの「ひこうき雲」を聴いていると目の前に古い雑誌があり、何気なく手に取ると何だ懐かしい表紙。私が中学生の頃、確かにあったこんな雑誌が!すっかり忘れていた古い記憶が何だか一気に思い出と共に蘇ってくる。
このあと50名は収容できるというイベントホールへ - ここが一応メインの部屋になっており、ここでもLPを大音量で聴く事ができる。しかも違うタイプのスピーカーが5つ設置されておりスイッチ1つで好きなスピーカーに切り替えて聴く事ができるのだ。因みに私のお気に入りはスイッチ3のJBLのスピーカーで、とにかく良質、そしてかなりの大音量で聴けるのが魅力的だ。
ただ、プレイヤーが1つしかないので、当然ながら他のお客さんがいると譲り合って、という感じで、我々がホールに入った時にはおじさんが居て暫くこの方が流しているLPを聴いている状態だったんだけど、声を掛けて譲ってもらった(なかなかその辺りのタイミングとか声掛けも難しかったり)。
しかし話してみるととてもいいおじさんで、この方も市内から来たらしく、自宅で古いLPが見つかったけどもうプレイヤーがないので持参でここに聴きに来ているという事であった。因みにこの方、フュージョン好きな方であった。
そんな訳で、何となしに他の人に気を使いつつの音楽鑑賞になるけれど、他の人がチョイスしたLPを聴くのもまた良し、でもあり我々は今回はボブ・マーリーとボブ・ディラン、そして日本人が唄う古い中国音楽のLP(テレサテンが唄って知っていた夜来香(イエライシャン)や蘇州夜曲)なんかを聴いてなかなか満足であった。お昼近くになったので、我々が出て行こうとするとおじさんが「ぜひ最後これを聴いてくだい」とお勧めのフュージョンLPを聴かせてもらい、そんな交流も楽しめた。
LPの数が多すぎてチョイスするのにちょっと迷ったり、そして他にもちょくちょくお客さんがホールには来るのでちょっと落ち着いては聴けない感もあったけど、やはりこんなに大音量で聴けるところはないと思うので、ぜひまた訪れてみたいと思う。次回は昼過ぎに訪れコーヒーでものみながら、自分が聴きたいLP、そして他の人が選んだLPも一緒にゆっくりと聴きながらそんな風にして過ごしてみたいと思う。
最後におまけで長崎で撮ったスナップ写真1
空港到着~うちの近所と8月15日に見た精霊流しが終わってからの移動風景。「八坂」と書かれた精霊流しの先端 - みよしと呼ばれるところに付ける鏡だけど、これは終わっても流さず、また再利用するとは知らなかった。(下写真5枚目)
スナップ写真2
お次は長崎で食したおいしいもの。長崎はやっぱり魚が新鮮でいつ食べても感動してしまう。
最後は長崎の町中と夕暮れ - 長崎は西の端に位置しているせいか関東よりも日が長く、帰る度に日が長いな~と毎度思ってしまう。
夕暮れ時空が赤く染まり、幻想的な夏の空色に - 。