朝7時起床、のつもりが持参していたポータブル型の目覚まし時計が電波時計だった為か、いつの間にか日本時間を受信しており、日本時間の7時 ー つまりは、台湾時間の6時に起床していた。
起きてから暫く気付かず、顔を洗い諸々用意して、iPhoneを見ると時間は6時台を示しており、ん?と暫く何が起こっているのか分からなかった。部屋に備え付けていたアナログ時計も時間が元々おかしく、一体今何時なんだろう。。?と暫く分からなかったが、電波時計が日本時間を受信していたと判明。
電波時計って現地時間を受信するのかと思っていたけど、日本時間を受信すると今更ながら知った。それにしても金門島で日本時間を受信するとは!なかなかレアだな、と朝から驚きでした。
という事で気を取り直し朝の散策&そして朝食へ。本日快晴、朝の散歩はいつだって気持ち良い。
この日は結局、道端で何か売っていたおばちゃんとちょっと話して仲良くなった感じになったので、パン?かなと思い、それを購入。後で調べたら焼餅ってのは中国のパンのようですね。2つで50TWドル(x5円弱)なり。
この日は午後から翌朝までバイクを借りる事にした。しかし今回は国際免許書など用意していなかった為に借りられるのは電動バイクのみとのこと(借りられただけでもラッキーだ)。そして、まぁ電動でもいいのだが、バッテリーが1つ30kmしかもたないらしい。一応2つ搭載できるで計60km、行きたいところは2箇所ほどなので、大丈夫だろう。仮にバッテリーがなくなった場合は、夕方5時半まではお店が開いているのでいつでも交換してくれるとのこと。
因みに今回バイクを借りたところは全く英語が通じなかったので、英語ができる宿のオーナー・奥さんに付いてきてもらい、借りる手筈などを手伝ったもらいました。色々と感謝!です。
そんな訳で無事、電動バイクも借り島の北へ爆走!と言いたいところだが、スピードが全然出ない。。フルスロットルで時速30kmと、まぁ日本の原チャリの法定速度なみですね。島の北部はのんびりと高粱畑が広がっているような地域でもあるのでのんびりといきましょう。
きちんとした地図らしい地図は持ってなかったので分かれ道なんかでは、一旦停車しGoogleの地図を確認しながら、慎重に走行。普段沖縄の島なんかで、バイクを借りたら割と道順なんか気にせずにがんがん走るのだが、いかんせんバッテリー制限があるので、無駄にできない。言葉もよく通じないようなところで、途中でバッテリーが完全になくなってしまったら目も当てられない。今回は、日本でSIMカードを購入してからの旅だったので、ネットが使える状態にしておいてよかった。
そんなこんなで、走り出して30分ちょっとで北山播音牆(日本語だと北山放送局)へ到着。
ー ここは48個のスピーカーが取り付けられた何だかよく共産圏で見掛けるような無機質な建物がぽつんと建っているところで、嘗てはここから大陸に向けてのプロパガンダ的な放送を行っていたというところ。
現在はその名残として決まった時間に、テレサ・テンさんがこの島を慰問に訪れた際に録音された、「こんにちは今、私は金門の放送所に居ます。(中略)中国の同胞も私たちと同じ民主と自由得る事を願っています」云々という呼びかけ(もちろん中国語で)が流れてきて、最後に彼女の「甜蜜蜜」という曲がフルコーラスで流れるというもの。
「甜蜜蜜」を背後に聴きながら、ここから眺める厦門のビル群もそれはそれで何だかよかった。
金門島の西側には烈嶼(通称小金門島)と呼ばれる小さな島があるのだが、2年前に橋が掛かったという事で今は船に乗らずに渡る事ができる。全長5.4kmもある台湾で1番長い橋だ。
ここを渡ってお次は小金門島へ行こうと思ったが、帰りのバッテリーのことを考え一旦レンタルバイク屋へ行き、バッテリーを1つ交換することに。
レンタルバイク屋に到着したと同時に丁度1つバッテリーがほぼ無くなり、先ほどのスタッフにバッテリー交換を申し出る。
が、英語が全く通じない&私も中国語が全く出来ないので、2つある内の1つだけ交換してもらいたい、という事すらなかなか通じなかったけど、単純にバッテリー残が有るは「有」で、無いは「没有(メイヨー)」でいいのでは?、そして「これ」という中国語位は私も知っているので、後は手振り身振りの説明でどうにか通じた。
しかし、特にフル充電のバッテリーを常備している訳ではなく、返却された他の電動バイクのバッテリーを取り外し、それを私のに付け替え、「あ、これはフルじゃなかったわ」みたいな感じで、幾つか試し、ようやくフル充電のが見つかり交換完了(しかし、これは交換して電源入れるとバッテリーの目盛りがフル表示だったが、走り出して直ぐに目盛りが1つ減ってしまい、フル充電ではなかった。。)。
とりあえずは出発完了で、金門島の西側から伸びる金門大橋を目指す ー 。出発してから10分ほどで橋の袂に到着。この橋を電動バイクで渡るのもいい思い出になった。
橋の上から見る対岸の厦門はぐっと近くに感じられる。
あっという間に日も傾き始めたので、島をゆっくりと回る時間もあまりなく早々に島の北側経由で西にある双口海岸を目指す。
双口海岸から厦門までの距離はわずか5、6km程度。私が20年前に旅をしていた厦門、宿を取ってよく訪れていた港がある辺りは、もう少し内陸側に入った辺りのようなので、ここから直接見渡せる訳ではないが、この海岸から見える辺りが1番近いと思う。
何よりも今までで1番ここからの景色が対岸を身近に感じられる、そんな場所だった。
海岸沿いには忍び返しと呼ばれる共産軍の上陸を阻むバリケードがあり、それ越しの厦門の街を撮りたかったのだが、タイミング的に満潮の時間帯のせいか、忍び返しの殆どは海の中へ。
金門島で最後ここに来られて、旅もちょうど締めくくられた感じでよい旅となった。今回はバスに乗ったりこうして電動バイクであちこち巡った時間が多かったのであまり街歩きが出来なかったので、また訪れた際は、街中でゆっくりと過ごすのもいいかもしれない。
金門島は私が嘗て旅していた頃のような中国も感じられ、そんな中にも台湾っぽさもあり、そして何より静かでのんびりとしたいい島でした。この島がいつまでも平和で穏やかでありますように。