行きの福井へは東海道新幹線と在来線を乗り継いで行った訳であるけれど、帰りは北陸新幹線で帰るべく金沢か富山まで出る事とした。その際、折角なので1泊しようと思い、どちらの街にしようか考えあぐねた結果、金沢に寄る事にした。今回で3度目の金沢である訳だけど、ここはホント、たまにふらりと年に1度は訪れてもいい街である。
福井も福井で将来的に北陸新幹線が延伸する予定で、街中は北陸新幹線歓迎の広告があったり、駅前広場もそれに合わせてか絶賛開発中でもあった。金沢移動の前にそんな福井の町を朝にちょっとだけ散策してきた。
福井駅に到着した日は雨に降られ市内を満足に散策する事ができなかったが、この日は快晴、とまでは言わないにしても雨に降られる事もなくのんびりと散策。朝の散策は旅先での最近のマイブームでもある。
とは言え、この日は朝の内に福井を出発し、お昼には金沢に到着する予定でもあったので、それ程時間もない。1時間程ぶらりとした感じ。
市電が走っている感じだとか、駅前からすっと1本道が伸びた感じがどことなく富山を思い起こさせてくれる。福井は北陸他県と比較するに金沢よりも富山に似た感じがする街、それが私の印象だった。
暫く歩くと福井城址が見えてきた。ここを折り返し地点とし、城址内をしばらく散策後ホテルに戻る事とした。ここのお堀側から遠くに雪山を見渡す事が出来き、この辺りから見る景色は実に北国らしさを感じさせてくれる風景であった。
駅前に戻ると相変わらず恐竜いっぱいであった。この恐竜達もこれで見納めだ。次回はいつ見る事が出来ることやら・・。
福井からは(米原から乗ったのと同じ)しらさぎ号に揺られ、一路金沢へ。道中、右手には田園風景と雪山が見渡せ旅情を盛り上げてくれる。
1時間ほどで金沢駅へ到着。今回はリュック1つの気軽な旅でもあるので駅前からバスに乗りそのまま21世紀美術館へと向かった。美術館への入園はこれまでは前売り券を購入していたけれど、今回は会場の半分が入れ替えでクローズの為、展示数も少なめ - その為か前売りは券は販売してなかった事もあり先ずはチケットを購入すべく美術館へ。それにしても毎回の事だが、ここのチケット売り場は混んでいる。。
結局1時間程並ぶ事となり、チケットを購入。今回の展示はコレクション展「BLUE」のみ。前述したように会場の半分はクローズになっている為か、チケットは450円ぽっちであった。1時間並んで450円のチケット、と言うのも考え物であるが、展示自体は凄くよかった。
チケット購入後は直ぐに展示を観ずに一旦町中へ出て、腹ごしらえ。そして、道中気になっていた建物があったのでそこの様子を伺いに行く事とした。
確か、その建物周辺には私が好きなメロンパン屋さんがあったのだが、やはり既に閉店し他のお店になっていた。なぜ、「やはり」なのかと言うと実はそのお店のチェーン店を以前たまたま函館で発見し立ち寄った際に、金沢の本店(金沢が実は本店だった!)はコロナの影響で閉店になった、と知らされていたのである。その時のBlogです。
そんな閉店の影響もあってか、周辺はがらりと様変わりしていたのであるが、そんな中とある建物にトリックアート的な螺旋階段のポスターを発見。見た感じ、レアンドロ・エルリッヒの作品っぽいなぁと思い、よくよく見てみたら、やはりレアンドロの作品で、そこには「Contemporary Art Museum」の文字が ー。
ここにも4,5組人々が並んでいたので、取り敢えず並んでみる事とする。金沢に来てから何だか並んでばっかりのような気もする。
15分ほど並びようやく中へ。人がいっぱいと言うよりは感染症対策の為、人数制限をしているようだ。
受付の人の説明によると「入場料は1,300円。そしてここKAMU Center以外にも他ギャラリーが5つほど金沢市内に点在しており、この1,300円のチケットで全て入れる」とのこと。ただし、コロナ禍の影響なのかどうかは分からないけど、現在2つのギャラリーは閉鎖中で、トータル4つのギャラリーを回れるとのことであった。
ギャラリーは全て徒歩圏内にあるらしく地図を見せてくれた。地図の中にはこれまで歩いた事のないエリアに他のギャラリーもあったりで、これは面白そうと早速チケットを購入し、中へ。
ここKAMU Center(KAMUギャラリーの本店とでも言える場所?)は3階建てになっており、各階に1作家ずつ作品が展示されていた。
ここを見た後は一旦食事をし、カフェでゆっくりと過ごし持参した本を読んだり、先ほどの地図を眺めながら回るルートを考えたりして過ごした。
残り3つのギャラリーはタテマチ商店街沿いに広がっているようだ。現在お休み中のギャラリーでは森山大道の展示もあったみたいでこれはとても見たかった。残念!だ。
そんな訳でお次はKAMU K=Kへ。こちらでは諏訪綾子さんの作品「TALISMAN in the woods」という作品を鑑賞 - 杉の香り漂う空間にこれまた杉を利用したインスタレーションで、この作品がわたし的には1番よかった。杉の香りをどのように抽出しているのかは分からなかったけど、匂いとしては、鉄輪にある「蒸し湯」の薬草のような香りがし、杉の香りとはこんなにも芳醇なものなのか、と新たな発見もありました。
そこから更に商店街をすたすた歩き、残り2つのギャラリー - KAMU Black BlackとKAMU tatamiと呼ばれる古民家を改築したギャラリーへ。
そういえば、2年前かなぁ、この商店街の入り口付近は歩いた事あったのだけど、その時絶賛工事中だった建物もすっかり工事も終了し新しくなっていました。金沢の中心地もちょっとずつですが、お店も入れ替わったり建物も変わったりと常に代謝を繰り返しているようです。
KAMU Black Blackは光と音の作品、tatamiの方では映像作品でどちらもよかった。そしてその後ぐるっと歩いて21世紀美術館へと戻る。丁度よい散歩コースだったようにも思う。
「BLUE」 - 今回の21世紀美術館でのコレクション展名だ。
その名の通り青を基調とした作品の数々。コレクション展という事でこれまで見たことある作品もそして、初めましての作品も。個人的には福本潮子さんの染色の作品が素晴らしかったなぁ。みんな割りとささっと通り過ぎていましたが、わたし的にかなりぐっと来て長い時間を掛けじっくりゆっくりと堪能。
2枚1組の巨大な藍染の作品だったのですが、2枚が重なった部分は(当然ながら)濃く見えるのだけど、見る角度を変えると後ろに位置する染物の箇所が変わる為、手前の色が薄く変化したりと様々な表情を見せてくれ、近づいたり離れたりしながら鑑賞してきました。
そう言えば美術館外にある「カラー・アクティビティ・ハウス」もCMYK、それぞれ重なり具合や光の感じで様々な表情を見せてくれる作品で、今回は色の世界を堪能できました。
今回は定宿にしている宿が取れず、香林坊からちょっと離れ近江市場の近くの宿へ。
夜、食事をしようと出掛けたところ、この時期はまだまん延防止の影響でか営業しているお店も少なく、この前の別府同様、ちょっとばかり食事難民になりかけてしまった。暫くうろうろ歩くと折りよく営業しているお店を見つける事ができた。 - 海鮮丼のお店だ。福井では連日の肉食だった事もあり、丁度良かったかも。
何だか並んでばかりの金沢旅のスタート、夜は夜でちょっぴりうろうろと彷徨い歩くそんな1日でしたが、美術館も町並も全てがやはり素晴らしく、素敵な街、金沢でした。