バックパッカーの間でも有名な中国・雲南省、ここは旅に出る前から是非とも旅してみたいと思っていたところである。しかし、前年に雲南を訪れた時は折しも冬のタイミングで諦めて南下 - 結果ベトナム、そして東南アジアを旅するルートとなった。
そして、2005年、私は再び雲南省の省都・昆明までやって来た。季節は夏、雨がちょっと多い季節であるが今回は無事、旅が出来そうだ。
朝8時14分昆明駅発の列車に乗り込み、昼の2時頃に大理駅に到着。
この先に麗江という町もあり、そこもバックパッカーの間では有名な町で、日本に居る頃から旅好きな友人達から、これらの町の話をよく聞かされていたもので、この2つの町は私にとって、とても耳馴染みのある町であった。
その為、勝手な想像で、古城と呼ばれる古くて小さな町が山の中にひっそりと佇んでいるような印象を勝手に持っていたのだが、実際のところ駅前にはある程度の大きさの町もあり、その古城まではバスで行く、と分かりちょっと拍子抜けしてしまった。
駅前でやって来た8路のバスに乗り込むと古城まで着いた。割と適当に乗ったバスだったのだが正解だったようだ。
バスを降りると目の前には城門と城壁が広がっている。そう、それが正に私が想像していた町の佇まいであった。
大理古城には多くの白族(ペー族)という少数民族が暮らしており町中には水路が流れ柳の木が風にそよいでいる、そんな町だ。
これまで旅してきた所謂大陸系の町(北京や西安など)と比べ、外国人の旅行者も多いせいもあってか、ちょっとポップなお店なんかも目立ち、中国を初めて1人で旅する人にとっても旅行しやすそうな町の印象だ。
大理到着2日後、この日はまず胡蝶泉、周城と巡る事にした。周城は胡蝶泉に隣接し大理からおよそ20km離れたところにある村だ。
バスのチケット売り場や、至るところで白族の衣装を身に纏った人達を目にする。白を基調とし黄色やピンク色の刺繍が入った衣装は目にも鮮やかだ。男性は渋めの紺を基調とした人民服のようなものを身に纏っているが、ここいら辺りは藍染めも有名であるので、染物の衣装なのかもしれない。
そこから喜州白族居へ - 大理からはバスで1時間程離れたところにある村だ。
山間の田園風景の中に広がる、ペー族の住居がある古い町並だ。大理の古城はちょっとばかりテーマパーク的な要素も否めないが、こちらの方はそれ程観光地化もされておらず、ペー族の伝統的な古民家なんかも見る事ができる。
帰りのバスの中、いきなり親しげに英語で話し掛けてくる女性がいたので、最初どこかで出会った旅行者かと思ったらペー族の女性だった。民族衣装を身につけておらず普通の装いだったので最初地元の人だとは気付かなかった。
とてもフレンドリーで英語も上手く、ペー族の中にもこんな女性がいるのだなぁと思ったものだ。地元民は伝統的な民族衣装を身に纏い、(私の勝手な想像だが)英語もあまり話さず、地元の人達とよくつるんでいるイメージでもあったので、とても意外な出来事であった。まぁ私の勝手な思い込みで、その辺りの事情も色々と変わって来ているのかもしれない。
おかげで帰りのバスは退屈せず、地元民の方と雲南の事も色々と話もできた。中国を旅するとやはり地元の方々とお話したりする機会が多くなるのだが、やはり旅はこうでなくっちゃ、と思った日帰り1日の大理周辺巡りの旅であった。